令和3年8月18日新型コロナウィルス感染症記者会見

公開日 2021年08月30日

1 ステージの引き上げについて①
2 医療提供体制について
3 ステージの引き上げについて②
4 まん延防止等重点措置要請について①
5 まん延防止等重点措置要請について②
6 全国一律での緊急事態宣言実施について

(司会)
 ただ今から、新型コロナウイルス感染症に関する記者会見を開催いたします。最初に、知事からご説明いたします。

(知事)
 本日の新型コロナウイルスの新たな感染者の確認でございますけれども、新たに本日は64人の感染が確認されました。昨日、過去最多の40人ということをご報告したばかりでありますけれども、連日、過去最高を更新するという、大変深刻な事態になっていると考えております。やはり感染力がより強いデルタ株によります感染拡大のスピードの速さが、かくも異次元の速さで高知県に押し寄せていると受け止めております。
 詳細については、後ほど健康政策部からご説明いたしますけれども、本日確認されました64人の感染者のうち、感染経路不明が30人という規模に上っております。昨日も、約半分が感染経路不明ということでございましたけれども、この数字を見ましても、市中に相当程度、デルタ株を中心とします新型コロナウイルスが広がっていると判断せざるを得ない状況だと考えています。
 この感染の要因を見ましても、引き続き夏休みですとかお盆での帰省、あるいは仕事などでの他県との往来、こういったことに起因すると考えられるもの、これが相当の件数を占めておりますし、また感染経路がある程度追えるものを見ましても、家庭内の感染ということが相変わらず数字として多いわけでございますが、また職場の仲間などで飲食をともにしたといった、接触が契機と見られるという事例も多いと。こういった内容になっているところでございます。
 個々のケースについての説明は割愛させていただきますが、直近時点での入院治療の状況等をご覧いただきますと、中等症は8人ということでございます。これは兼ねてからの傾向もこのとおりですが、高齢者の方々の感染ですとか重症者の出現割合、こういったものは減少しているということがありますので、これだけ感染が急増しておりますけれども、重症者等の数字については、これから上がってくることを警戒しなければいけないとい う面はございますけれども、ここは抑えられているという一方で、当面の対応として焦点になってまいりますのが、宿泊療養施設におきます対応でございます。149人という数字になっていまして、昨日比でプラス27人というような数字になっております。
 宿泊療養施設、ホテルのご協力をいただいて確保はしてきている訳ですが、本日のようなペースで、仮に感染の急拡大が進んでいくということになりますと、この宿泊療養を行う施設の逼迫というのが目前に迫っているという状況になっていると受け止めておりまして、この点で特に、当面の感染症対応ということを考えましたときに、非常に危機的な状況になっていると受け止めているところでございます。
 以上が、感染の概況でございます。 本日64人の新たな感染確認ということを受けまして、全療養者数245人、そして直近7日間の新規の感染者数225人という数字になりまして、それぞれ県の設けております対応の目安のステージから言いますと、この数字そのものは非常事態に相当するような水準にまで至っているということでございます。
 ただ、一方で、いわゆる病床の占有率に関して申しますと42.5%という水準に留まっておりまして、これは区分としましては、特別警戒の水準に留まっているということであります。ただ、この水準自身もきのうは31%程 度であったところでございますので、わずか1日で1割程度上がっているということでございまして、これもトレンドとしましては、本日のような傾向が続いていくことを想定しますと、非常事態の50%の水準に迫りつつある という状況であると考えております。
 こうした中でございますけれども、なお、本日ないし、ここ数日の感染の傾向をさらに詳細に分析し、講ずべき対策ということについて検討する必要があると考えておりますので、本日の段階におきましては、この対応の ステージの判断といたしましては、特別警戒を据え置くことといたしますが、認識としましては、限りなく非常事態に近いところに迫ってきていると考えておりまして、こういった認識に立ちまして、現在、県庁内におきま して、私どもで検討の指示をしておりますのが、1点目がここ数日の感染拡大要因の詳細をしっかり分析するということであります。2点目はこれを踏まえまして、対応ステージの判断指標の状況も注視しまして、非常事態 レベルに引き上げることが必要ではないかという点について、現在、検討作業を行わせております。
 さらに、このステージの引き上げとも関連いたしますけれども、今後の具体的な感染抑制対策に対する対応の方針は、どう講じていくべきか。この点について検討を指示いたしております。諸々、場合によっては予算的な 措置などが必要なもの、あるいは場合によっては国との調整が必要なものもあり得る訳でございまして、そうした点で若干時間を要する部分もございますけれども、明日、コロナ対策の本部会議を開催いたしまして、ただ今 申し上げましたような検討作業を踏まえたステージの判断、あるいは対応方針の判断を決定したいと考えております。
 そうした中で、検討の方向性を敢えて本日、事業者の方々との関係もございますので、お話させていただきたいという点が1点ございます。
 これは飲食店の方々などに対します、営業時間の短縮要請についてということでございます。これについて、現時点での分析では、飲食店の場でのクラスターが続出するというところまでは至っていないわけではあります けれども、これだけ、毎日の感染者が20、40、60と、日々積み上がっていく状況の中で、感染経路不明者が1日だけで30人、かつてない、いわば異次元の感染拡大、市中のまん延が相当進んでいると考えざるを得ない状況に あるということでございます。
 そうした中でございますし、また、県外との往来ということも、もう少し掘り下げて話をお聞きしますと、かなりのケースで、これは県内、県外、場所としては両方ありえますけれども、やはりそうした県外との往来の中 で、普段会っておられない方と会食をしたということが直接的な感染のきっかけとなっていると思われるケースも少なくないという状況。こうした状況を考えますと、やはり飲食店などの営業時間の短縮の協力要請、これは もう不可避の要素として検討せざるを得ないという認識に今、立ち至っております。現実に、県が自主的に対応できる方策といたしまして、大きな核となるのが、この営業時間の短縮要請ということでもございます。
 その意味で、詳細については、本日の検討作業を経まして明日の会議で最終的に決定いたしますが、現時点で検討しております素案的な中身の概略を申し上げますと、県内でも地域的に見ますと、特に感染者が多い地域に 対象地域は絞り込むべきだろうと考えております。その意味で、現時点で候補としておりますのは、高知市、そして中央東エリアがかなり高知市と並んで感染拡大しておりますので、南国市、香南市、この辺りに対象地域を 絞り込む必要があるのではないかと、今そういった観点からの検討をさせております。
 この点、まだ明日の感染状況ということもございますから、まだ流動的な要素はございますけれども、今までのデータでそういった検討をしているということ。そして、時間短縮の要請のスタートとなる日は、事業者の 方々のご準備もありましょうから、今週の土曜日、21日からお願いするという方向で考えていこうと。大きな枠組みは、これまで3回やってまいった営業時間の短縮要請、こういったものがベースになってまいると思います けれども、ただ細かな点については、今申し上げた点も含めまして、なお、検討して、明日の会議で決定するということで進めていきたいと考えております。
 その他の対処方針につきましても、ただ今申し上げましたように、宿泊療養施設が非常に逼迫してきているということがございますので、まず、今確保している枠内でさらなる努力をしていくということはございますけれ ども、ある点、ここの感染拡大のスピードにもよりますけれども、自宅療養の活用という可能性も含めた検討といったところも課題になってまいると考えておりますし、ステージの引き上げということになりますと、各種の イベントの対応、あるいは公共施設の休館・閉館といった対応、こういった部分についても具体的な検討をした上で、必要な場合には明日の会議で決定して、県民の皆さんにご協力をお願いする必要があると考えておりま す。
 そういった状況であるということを申し添えまして、私からの報告とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(司会)
 それでは、各社からの質問に移らせていただきます。社名とお名前をおっしゃってからお願いいたします。

ステージの引き上げについて①
(大山 高知新聞社記者)
 今かなり踏み込んだ部分まで、今日の段階でおっしゃられたと思いますが、まず最初にお伺いしたいのは、事実上、非常事態の状況に県内ではなっているけれども、諸所の準備であったり細かい対策の検討が必要なので、今日のところは見送るけれど、もう非常事態に踏み切るんだというお考えでいらっしゃるということでよろしいでしょうか。

(知事)
 概ねそれに近いということで結構です。かなり非常事態に近いところにいると、迫っているという認識でおります。
 ただ、この感染の中身が今回の第5波は、かねて申し上げておりますように9割の方が50代以下ということでありますので、感染の中身も今まで高齢者の方々中心で、重症者も多かったということから、中身がちょっと変 わってきております。その意味で、従来よりは感染者数というよりは、病床の逼迫状況、占有率、そういった要素をやはり、より重視していくべきだという考えがあります。
 そこを見た場合には、まだ42.5%、50%いってない。ここの部分は非常事態宣言に達してないという点が1点ありますのと、まだ明日以降の様子、ただ、これも今、部から内々で聞いておりますところでは、本日も、かな りの感染の件数の報告が行われているという状況も聞いておりますので、数字はまだ確定はちょっとできませんけれども、相当非常事態と判断すべき状況が近づいているという判断をしております。ただ、対策について、具 体的な対策を特に、詰めの作業が必要なものもございますので、この点の時間は若干いただきたいという状況にあるということであります。

医療提供体制について
(大山 高知新聞社記者)

 医療体制についてなんですが、知事、先ほどおっしゃったように、占有率だけで42.5%ですが、ホテルも数字上は多少余裕があるのかもしれないけれど、実質、使えるホテルの部屋数でいうと、それほど余裕がないんじゃないかと思います。
 医療提供体制の療養の状況、あと先ほど、自宅療養の可能性まで踏み込んでおっしゃってましたが、そこも含めた危機感というのを改めて教えてください。

(知事)
 この点はですね、もちろん、確認された患者の症状によって的確な対応をしていかなければいけない。本県の場合は基本的には宿泊療養をしていただくということで、一定程度症状が重くなった方、あるいはリスクが高い方については入院していただくという棲み分けの中で、対応できてきた訳でありますけれども、1日60人を超えるような感染者が、相当の日数続いていくということを考えますと、今のキャパシティというのは、早晩、限界に達するのではないかというような認識をしております。その意味では、現実的な対応として症状がない、いわゆる無症状の方などは、例えば自宅で当面療養していただく、様子を見ていただくと。それをどうサポートするか というようなことも具体的に検討し、必要な分については、医療関係者へのご相談なども始めなければいけない段階に近づいているという認識を持ちまして、本日このようなご報告をさせていただいているということであり ます。

ステージの引き上げについて②
(大山 高知新聞社記者)

 もう1点、先ほどの説明を含めてお聞きすると、今日の段階で非常事態に上げるという判断もあったのではないかと思います。それも含めてですが、今日ここまで踏み込んだ、こういう会を開いたというのは、危機感の大きさの現れなのかなとは思いますが、今日引き上げなかったことと、危機感の大きさを改めて教えてください。

(知事)
 一つは、形式的にいえば病床の占有率のデータが、まだ特別警戒レベルであるということはございますけれども、もう一つは、非常事態だということはある意味、それ自身は漢字4文字の世界でありますけれども、具体的 に県民の皆さんに、事業者の皆さまへの営業時間の短縮要請も含めてでありますが、県民の皆さんの社会経済活動にどういう形で制約、ご負担をお願いしていくかというところが、それなりの熟度で集まったものと合わせて お示しするというのが、責任ある態度であろうという思いもございましたので、ここを一晩の時間はいただいた上で最終判断をさせていただくようにお願いさせていただいたということです。

まん延防止等重点措置要請について①
(古谷 読売新聞社記者)

 1点、知事以前もおっしゃってましたけれども、国に対してまん延防止等重点措置の要請ですけれども、これについては、今後どういった対応をとられますか。

(知事)
 今後の選択肢という意味では、当然視野に入れて検討の対象になると考えております。ただ、現時点ではまず県の対応を、県としてギリギリどこまで対応できるかというところを、まず頑張っていくというところだと思います。
 前回の第4波の拡大の対応の流れの中でも、国と一定程度、まん延防止等重点措置の適用の可能性についてやり取りをした経緯がございます。その中でも、昨日の決定を見ますと、少し国のスタンスも軟化してるという感じはありますけれども、やはり基本スタンスはまず各県が取り得る対策を精一杯取って、その上で、やはり、まん延防止等の重点措置を適用にならないと対応は不能であると、できないというところまで逼迫度が上がっているというところで、国としても適用の対象に判断をしていくんだというのが基本スタンスであろうというのもあります。まずそこへいくまでにも、県が自主的に行い得る中で、最も実効性の高いものが期待できる営業時間の 短縮要請、そういったものを、まだお願いしている時点ではないということでありますから、県としてまず講ずるべき、講ずることができる対策を詰めて、その対策を講じるということが、前段として必要だろうということ で、今その部分を中心として庁内の検討をさせているとご理解いただきたいと思います。

まん延防止等重点措置要請について②
(古谷 読売新聞社記者)

 視野に入れているということは、当然今後、この状況が続くようなら、要請をしていくということになりますか。

(知事)
 これは感染状況にも、もちろんよります。正直、本日の64人というような数字が本県において、かなり続いていくというようなことが、もし仮にあるとすれば、これは、お隣の愛媛県、あるいは香川県が、昨日、重点措置 の適用対象に決定されましたけれども、この両県のここ数日の感染者の数と、地域の感染者数だけでの比較になりますけれども、これに匹敵するような、あるいはそれ以上のインパクトを持つような数字であるという受け止 めはしておりますので、その意味で、こういった感染状況が続き、また県として取り得る最大限の努力をしてもなお、収束の見通しが得られないというようなことになってくれば、それはそうした過程の中で、まん延防止等の重点措置を国に要請していくことも検討するということは、視野に入れておく必要はあるという認識は、現時点で持っています。

全国一律での緊急事態宣言実施について
(中田 高知民報記者)

 全国一律の緊急事態という議論がありますけれど、これだけ県境をまたいでいるのであれば、個々にやるよりは、そっちの方が有効ではないかという議論がありますけれども、ご意見をお願いします。

(知事)
 これは一つの考え方であるとは思います。特に、高知県もここ数日、これだけの感染者が、現に出てきている。そういうトレンドになってきているということは、一つは考え方であると思います。ただ、感染状況、そうはいってもやはり、人口比あるいは病床の、医療提供体制の逼迫状況からしても、やはり程度差が都道府県によってあるということも事実だと思いますから、その意味では、講ずべき対策が全国一律で大変厳しい方に引っ張ら れてしまうというのが、総体的に逼迫度がそれほど高くない地域にとっては、過剰な負担になるのではないかという心配も、片方ではしないといけないと思います。
 その意味では、昨日知事会の飯泉会長がおっしゃっておられましたけれども、一つの選択肢は緊急事態宣言なり、まん延防止等重点措置、これを全国に適用というような形は取るけれども、具体的な社会的な制約、経済的な制約への対応の中身については、各県の判断に委ねるというようなオプションがどうやってできるかということにもよると思いますけれども、そういうことが検討できるのであれば、それは一つの方策ではないかと思いますが、いずれにしても、それは国で最終的にご判断をいただく中身であろうと考えております。

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