令和4年1月1日 知事の記者会見(年頭所感)

公開日 2022年01月01日

1  今後の具体的な取り組みについて①
2  今後の具体的な取り組みについて②
3  これまでの成果について①
4  1期目でやり遂げたいことについて
5  人口減少、中山間地域の現状への危機感について
6  南海トラフ地震対策について①
7  南海トラフ地震対策について②
8  南海トラフ地震対策について③
9  南海トラフ地震対策について④
10  経済活性化と新型コロナ対策のバランスについて①
11  経済活性化と新型コロナ対策のバランスについて②
12  プラスチックの代替素材について

(司会) 
 ただいまから、知事記者会見を始めさせていただきます。冒頭に知事から令和4年度年頭にあたりまして、ご挨拶を申し上げます。

(知事)
 令和4年の年頭にあたりましての所感についてお話させていただきます。
 新年あけましておめでとうございます。本年が皆さまにとりまして、良い年となりますように心からお祈り申し上げます。
 さて、私も知事に就任しまして、はや2年間が経過しました。これまで「共感と前進」を県政運営の基本姿勢といたしまして、県民の皆さんの気持ちに寄り添う県政運営に努めてまいりました。振り返りますと、昨年も新 型コロナウイルス感染症への対応に明け暮れた1年であったと言えると思います。本年は、本県の社会経済活動を本格的に回復させまして、次なる時代への扉を開く、そうした節目の1年にしたいと考えております。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。
 ここ2年間、繰り返し訪れます感染の波に対しまして、県民の皆さんと一丸となって対策を講じてまいりました。当面はオミクロン株という新たな変異株によります感染の第6波の到来が懸念されます。この対応も含めま して、引き続き油断することなく、次なる感染拡大に備えていきたいと思います。感染拡大の備えとしては、昨年11月末に保健・医療提供体制確保計画へとバージョンアップしまして、これまでの体制を大幅に強化しており ます。今後も必要に応じまして、さらなる充実を図りながら対応を図っていきたいと考えています。
 当面、急がれます対策は3回目のワクチン接種です。本県でも昨年12月から開始しております。この3回目の接種に関しては、先般、政府から医療従事者や高齢者施設の入所者などを対象に接種の前倒しを行うという方針 が示されました。具体的には、従前2回目の接種から8ヵ月を経過した方を対象とされておりましたのが、医療従事者の方々、あるいは高齢者施設に入所の方々などに対しては、6ヵ月に前倒しされております。また、その 他の一般の高齢者の方々も7ヵ月という段階に前倒しして接種する方針が示されております。引き続き、国や市町村と緊密に連携しまして、接種が円滑に進むように取り組んでまいります。
 特に、全国知事会のワクチンチームリーダーという立場も頂戴しております。現場が混乱しませんように、国に対して、分かりやすい情報提供、そして、課題の解決に向けた様々な取組について、提言を重ねてまいりたい と考えております。
 一方で、社会経済活動の回復に関してですが、経済対策に係ります国の補正予算も最大限に活用して、例えば、観光需要の喚起策などを進めてまいります。そして、感染拡大期におきましても、できるだけ日常生活や社会 経済活動を継続できるように、ワクチン・検査パッケージといった仕組みの活用を進めてまいります。その際、健康上の理由などでワクチン接種を受けられない方々もおいでです。こうした方々は、その都度、検査を受けて 陰性証明の取得をしていただく必要がございます。このため、身近な地域で無料の抗原検査、あるいはPCR検査を受けられる体制が必要ですので、本県におきましても昨年末12月25日から無料の検査を順次スタートさせております。
 今後、県内の薬局などのご協力をいただきながら、できるだけ多くの市町村に検査所を設置できるように取り組んでまいります。今後、オミクロン株の動向に十分に注意を払いながら感染拡大防止と社会経済活動との両立を図ってまいりたいと考えています。
 続きまして、主要な政策の取組の方針について順次、説明させていただきます。
 まず、5つの基本政策の中の「経済の活性化」についてです。これから、ウィズコロナ・アフターコロナの新しい時代への対応が問われることとなります。この新たな時代の成長の原動力となるのは、3つの側面での社会 の変化にあると考えています。この3つの変化と言いますのは、1つにはデジタル化、2つにはグリーン化、3つにはグローバル化というキーワードで代表される社会の変化だと考えております。こうしたキーワードに沿っ て県の政策を進化させて、高知県をもっともっと元気にしていきたい、豊かにしていきたいと考えています。
 個々について具体的に申し上げます。
 まず、デジタル化についてです。デジタル化の大きな側面は、情報通信技術の発達にあると考えています。これによりまして、高知県が大都市圏から遠いことが今までハンディでありましたけれども、この物理的なハンデ ィがハンディでなくなる時代が来ると考えています。既にテレワークによりまして、地方に住んでいながら、大都市の会社に勤めることも可能となっております。また、例えば遠隔授業ですとか、遠隔医療といった新しい技 術を導入することで、中山間地域の教育や医療を大幅にレベルアップできると考えています。
 そして、産業・生活・行政等々、あらゆる分野におきまして、例えばビッグデータやAIといったデジタル技術の導入を進めたいと考えています。これによりまして、例えば既に高知県が全国一の生産性を誇っております ハウス園芸農業などの分野が代表例になりますが、こういった産業の各分野での生産性を飛躍的に高めていきたいと考えております。また、県民生活や行政サービスの利便性につきましても、このデジタル技術を通じて最大 限に向上させていきたいという思いを持っております。
 2つ目の変化でありますグリーン化です。この背景としては、今、世界全体が脱炭素化、いわゆるカーボンニュートラルの達成により、持続可能な社会の実現を目指す方向転換をしていることがあります。この大きな流れ を捉え、高知県の豊かな自然を生かして、例えば、木材利用の拡大や太陽光などの再生可能エネルギーの導入促進を進めていく。こうした形で高知県らしい貢献ができるのではないかと考えています。
 そして、別の側面を挙げますと、高知県は土佐和紙以来の伝統技術を持っております。この技術を応用して、新しい時代にプラスチックの代替素材の開発が求められておりますから、これを高知で進めていくことにより、 県の産業振興を図り、これをもって県勢浮揚の原動力としていく。こういったこともできるのではないかと考えています。
 さらに、豊かな自然を生かしていくというキーワードの観点で言いますと、例えば観光面で自然体験型観光を伸ばしていくこと。あるいは自然を愛する大都市の方々に移住していただく、移住促進の取組も加速していく。 こういった取組もグリーン化の一環と考えて良いのではないかと考えております。
 3つ目の大きな変化はグローバル化です。中長期的に我が国の人口は減少に向かうことが必至です。そうした中では、海外市場に打って出る行動を取らない限りは、高知県の経済も先細りになってしまうことが懸念されま す。これを打開するために、1つには新型コロナウイルス感染症の動向を注視する必要もありますけれども、すぐ出来ることは、県産品の輸出の拡大です。例えば、県産のユズ、土佐酒、水産物、こういった物は近年、年を 追うごとに輸出が拡大傾向となっております。この輸出拡大をさらに進めていくこと。そして、コロナの終息も見極めながら、海外からのインバウンド観光客の誘致なども進めていくことが必要だと考えております。
 次に、各論として観光振興の分野について申し上げたいと思います。
 ここしばらく全国的に移動や旅行の自粛が続いてまいりました。その反動もありまして、全国的にだんだん観光再開の機運が高まってきていると考えています。こうした状況の変化を捉えまして、大きく落ち込んでしまい ました本県の観光需要を速やかに回復させたい。そのために迅速に対策を講じたいと考えています。
 その1つの取組として1月からは、本県の強みであります食を切り口とした「リョーマの休日」キャンペーンを拡充したいと考えています。旬の食を中心に据え、これに地域の食文化や、それに関わる人にスポットを当て たインパクトのある企画を季節ごとに実施していく形でキャンペーンを展開したいと考えています。これによりまして、切れ目のない誘客が図られるようにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 そして、もう1点申し上げますと、関西圏との経済連携強化についてです。この点につきましては、工夫を重ねながら取り組んでおりますけれども、やはり新型コロナウイルスの影響がありまして、全体として見ますと思 うように進捗していない分野も多い状況にあります。しかし、関西圏におきましては、令和7年に大阪・関西万博が開催されます。これに向けた準備の動きが、今後本格化してくる段階になってまいりました。こうしたチャ ンスを逃すことなく、関西戦略に基づく取組をしっかりと推進し、反転攻勢に打って出たいと考えます。これによりまして、本県経済のさらなる活性化につなげていきたいと考えております。
 次に、基本政策の2点目「日本一の健康長寿県づくり」について申し上げます。この長寿県構想の1つ目の柱は、健康寿命の延伸に向けた意識の醸成、行動変容の促進です。糖尿病をはじめとします生活習慣病の予防を図 るために、県民全体を対象とした健康づくりの取組、いわゆるポピュレーションアプローチと重症化のリスクが高い方々に対します保健指導といったハイリスクアプローチ、この二方面の取組によりまして、その効果をしっ かりと検証しながら、対策を強化していきたいと考えています。
 2つ目の柱は地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化、いわゆる高知版地域包括ケアシステムの確立という分野です。中山間地域で将来にわたって在宅での療養が選択できる環境を 維持し確保していく必要があります。そのためには、医療機関や人材の不足、移動が困難な方へのサービスの確保といった課題があります。このために、医療や介護の質は担保しながら、効率的なサービスが提供できるよ う、デジタル技術の積極的な活用を進めたいと考えます。
 特に中山間地域におきまして、住まいと介護、訪問看護のサービス拠点を一体的に整備する計画をお持ちの市町村もあります。こういった取組を県としてはぜひ積極的に応援したいと考えています。さらに、いわゆる、ひ きこもり、あるいはヤングケアラーといった方々に関しては、今までの枠組みの隙間に陷らずに、各分野が一体となった取組を進める必要があります。このため、昨年、県庁内に包摂的な地域社会の構築に向けた連携検討チ ームを設置しました。
 こうしたチームの活動により、1つには、ひきこもりやヤングケアラーの方々などへの支援に関しまして、市町村を含めました行政側に相談対応の総合的な窓口を設けるように取り組んでまいります。また、チームにおき まして、具体的な目標、あるいは施策を検討しまして、取組をさらに強化したいと考えております。
 3つ目の柱は子どもたちを守り育てる環境づくり、いわゆる子育て分野です。妊娠期から子育て期まで切れ目なく総合的に支援する高知版ネウボラの取組を引き続き推進します。そして、子育て家庭のさまざまなリスクを 見逃さずに、1人1人の状況に寄り添った支援が行えるよう、母子保健、児童福祉、子育て支援、教育等々といいました各分野の連携をより一層強化します。
 基本政策の3点目「教育の充実」についてです。
 学力向上の取組みを進めてまいりました結果、昨年5月の全国学力・学習状況調査におけます全国順位は、本県が小中学校ともに過去最高となるなど、着実に成果につながっております。一方、不登校の児童生徒が増えて いることが課題で、本県におけます小中学校の不登校の割合が、全国に比べかなり高い数字になっていることに危機感を覚えております。
 学力向上の取組につきましては、小学校の高学年に教科の担任制が本格導入される節目となります。これを踏まえまして、義務教育9年間の学びの連続性を意識した教員の専門性の向上、あるいは小中学校間の連携を推進してまいります。
 また、高等学校におきましては、新学習指導要領に基づきます授業の実践に向けた教員の指導体制の強化や、タブレット端末などのICTを効果的に活用します。これによりまして、生徒1人1人の学力に応じた学習活動 を充実します。
 そして、不登校の対策につきましては、学校と県・市町村、そして学校間の連携を支える、例えばスクールソーシャルワーカーなどのスタッフの整備、こういった点に今まで以上にしっかりと取り組みまして、総合的な取 組を推進したいと考えております。
 基本政策の4点目「南海トラフ地震対策」です。これまで、令和3年度までの3年間を計画期間といたします第4期の南海トラフ地震対策行動計画を策定し、これに基づき全力で取り組んでまいりました。しかし、究極の 目標であります死者数を限りなくゼロに近づけていくためには、例えば津波からの早期避難の意識率や自ら避難することが困難な方々への個別避難計画の作成の伸び悩みといった課題が依然として多く残っております。アド  バイザーの方々からいただきました意見なども参考にしまして、令和3年度中に、第5期の行動計画を策定する考えです。この中で、命を守る対策につきましては、ハード面での対策の着実な推進に加えまして早期避難意識 率、あるいは室内の安全対策の実施率の向上といいました自助の取組の啓発を強化したいと考えています。
 また、命をつなぐ対策につきましては、各種の受援計画の実効性の確保、そして備蓄率の向上のための啓発を強化します。さらに、生活を立ち上げる対策につきましては、事前復興まちづくり計画の策定を引き続き推進し ます。また、被災者の個別支援体制や産業復興に向けた取組手順を検討することなどを含めまして、早期の復旧・復興、そして生活再建に向けた取組を充実させてまいりたいと考えております。
 基本政策の5点目です。「インフラの充実と有効活用」についてです。
 このうち、地震・津波対策につきましては、国と県が連携して取組を重ねてまいりました結果、昨年10月に南国市久枝から土佐市新居までの約18kmの区間の海岸堤防の耐震補強などが完成しました。引き続き、国の国土強 靭化に関します5か年の加速化対策などの財政措置も最大限活用しまして、浦戸湾の三重防護などの南海トラフ地震対策、四国8の字ネットワークをはじめとする道路の整備、豪雨に備える河川改修や土砂災害対策などを着 実に推進します。
 次に、中山間対策についてです。本年度は10年振りに小規模集落を対象とした集落実態調査を実施しました。現在、集落の代表者への聞き取り調査結果をふまえて対策をどう進めていくかという協議を行っている段階です。この調査の中間とりまとめの中からは、深刻な担い手不足のため、移住者の受け入れを求める声、あるいは日常生活の不便さを訴える声などの切実なご意見が多く寄せられております。
 このため、移住者の受け入れのために必要な支援として、空き家の有効活用などを含めました移住者のための住宅確保策の強化、そして、デジタル技術を活用した生活環境の向上といった新たな視点での施策について、現  在、検討を進めております。引き続き、実態調査の結果を詳細に分析しまして、皆さまの声をしっかりと受け止め、全庁を挙げて中山間対策の抜本強化につなげていきたいと考えています。
 次に、少子化対策と女性の活躍の推進についてです。県庁におきましては令和6年度末までに、男性職員の育児休業取得率を50%以上とする目標を掲げまして、私からも男性職員の育児休業の積極的な取得を呼びかける形 で、全庁挙げて取り組んでまいりました。その結果、令和2年度の段階で取得率は目標を大きく上回る61.2%に達しました。今後は、その中身を充実していくことも行ってまいりますけれども、こうした成果を少子化対策推 進県民会議とも連携し、企業の皆さまに広く発信し、広げていくことも必要だと考えています。
 この県民会議におきましては、新たに若い世代部会も設置して、若い世代の声を少子化対策に反映していこうという動きもございます。こうした動きとも連携しながら、働きながら子育てしやすい環境づくりをさらに前に進めたいと考えております。
 文化芸術とスポーツの振興についてです。令和3年度中に、文化芸術振興ビジョンを改定する予定です。このビジョンに基づきまして、文化芸術を観賞する機会、創造する機会の充実を図りまして、地域で文化芸術を担い 支援する人材の育成などを進めます。また、この分野におきましては、県史の編纂につきまして昨年、基本方針を策定しましたけれども、今後、この基本方針に基づき、時代や分野別に区分しました専門部会、これを8つ程 度と考えておりますが、来年度に入りましたら順次設置しまして、県史の編纂に向けて必要な調査を開始したいと考えています。
 スポーツの振興につきましては、引き続き地域でスポーツを気軽に楽しめる環境を整備すること。そして、裾野を拡大していくこと。さらに競技力の向上対策を強化していくことに取り組みたいと考えています。また、昨 年、東京で開催されましたオリンピック、パラリンピック大会をレガシーとしまして、スポーツの振興を始めとした地域の活性化などにつなげていきたいと考えております。
 最後にひと言申し上げます。
 冒頭に申し上げましたように、今年は感染症により大きなダメージを受けました本県の社会経済活動を本格的に回復させる。そして、次なる時代の扉を開く節目の1年にしたいと考えております。私自身、県勢の浮揚を目 指しまして、新しい時代の流れを先取りして、県の施策を進化させていきたい。そして、県民の皆さまと一緒に1歩ずつ着実に前へ進んでいきたいと考えております。
 本年も、県民の皆さんからのご指導、ご鞭撻を心よりお願いいたしまして、私の年頭における所感とさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問をされる方は挙手をして社名とお名前を発言していただいてから、質問をお願いいたします。

今後の具体的な取り組みについて①
(大山 高知新聞社記者)
 冒頭と最後にも、次なる時代の扉を開く節目の1年ということをおっしゃっていましたが、具体的に言うと、まず(社会経済活動を)回復させたいという思いなのかなと思いますが、こういうふうにやりたいであったり、こういう方向に持っていきたいであったり、具体的なイメージを教えてください。

(知事)
 具体的にと申しますと、3つのキーワードの話をもう一度させていただくことになりますけれども、簡潔に言えば、デジタル化、グリーン化という新しい時代は、この2つの動きを軸に我が国全体も経済成長を図っていこ うということですし、これは高知県にとって大きなチャンスだと思っています。デジタル化は、距離的なハンディがハンディでなくなるところが大きいと思っています。グリーン化は高知がある意味、開発が遅れてきた、こ れと裏表の関係ですけれども、豊かな自然を持っているというところがアドバンテージになると、そういう時代だと思っていますので、そういった高知の強みになる部分を生かして、高知の県勢浮揚のきっかけをつくりた い。それが、目に見える形で現れてくる、そんな1年にしたいという思いを込めて、次なる時代の扉を開く節目の1年にしたいと申し上げた次第です。

 今後の具体的な取り組みについて②
(大山 高知新聞社記者)
 21年は守りから攻めに転じたいということをおっしゃってましたが、なかなか攻めに転ずるところにはいかなかったと思います。22年も、やはり攻めの部分を意識されてという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 それはおっしゃるとおりでして、昨年について申しますと、反転攻勢に出たいという思いはありながらも、やはり目の前の新型コロナウイルスの新たな変異株の流行という現実を、まずさばいていかなければいけないと、 それが県政の運営上も否応なく最優先の対応を強いられたのが、特に春先から秋口にかけての半年間の状況であったと思います。
 10月以降は、かなり感染状況も落ち着いてきたことで、社会経済活動の回復というステップに軸足を移してきつつあると考えていますが、さらに新しい時代へのチャレンジに、歩を進めるのが、この1年でありたいと考え ております。

 これまでの成果について①
(大山 高知新聞社記者)
 知事のお話の中にもありましたが、任期の折返しを迎えました。その中で、知事が就任時に思われていたことの、どれぐらいのことができているのか。なかなかコロナがあって思うように進んでいない部分もあると思いますが、どれぐらいのことができていると思われているのか。また、併せて今後に向けて、1期目の任期中にやり遂げたい、道筋をつけたいという具体的な施策があれば教えてください。

(知事)
 例えばデジタル化、グリーン化という新しいトレンドは、ここ1、2年で方向性がより明確になってきた部分があります。特にデジタル化などに関しては、数年前から本県も着目して、例えばハウス園芸の技術の飛躍的な 向上の取組などは進めてきたところがあります。その成果などが表に華々しく出てくるというところまでは、まだいかなかった部分はありますけれども、例えばIoPの取組などについて言えば、現実に県内のハウスをイン ターネットで200、300軒のレベルでつなぐというところまで、現実に進んできていることですから、この土台づくりというところは、かなり具体的に進んできていると考えています。
 ただ、特に関西戦略に関して言いますと、戦略は作りましたものの、1つはインバウンドの観光分野ですね、これはただ、コロナの状況が改善して海外との人の動きがより自由になっていかないと現実にはなかなか難しい ことですから、この部分は引き続き、それに向けての備えをしっかりすることだと思います。特に外商活動に関して言いますと、量販店などは成果が上がってきておりますけれども、やはり実際に県の産業の所得を上げてい く、付加価値を上げていくことで言いますと、付加価値を高く売り込みができるような外商活動により軸足を移していく必要もあるといった課題も出てきております。あとは、令和7年の大阪・関西万博も近づいてきており ます。
 そこで、日本館という政府のパビリオンであったり、これは今検討が進んでおりまして、具体的な姿は今からもうちょっと時間がかかるかもしれませんが、木を使った大きなデッキを会場のメインに据えて造っていくよう な構想もだんだんと具体化してきておりますから、そういったものの情報収集もしっかりやって、そういったところには、例えば県産の木材を使っていただくようなことについて、具体的な仕掛けをさらに進めていきたいと 考えています。

1期目でやり遂げたいことについて
(大山 高知新聞社記者)
 1期目にやり遂げたい施策、道筋をつけたい施策であったり、やり遂げたいというような具体的な施策について教えて下さい。

(知事)
 やり遂げるというのが、どの段階までいけるかというのがありますが、特に大阪・関西万博に向けての、例えば県産の木材の活用といったものについての道筋は、あと2年ぐらいの間にはしっかりとつけていきたいのが、今お話した流れの中では意識している点です。

人口減少、中山間地域の現状への危機感について
(大山 高知新聞社記者)
 もう1点、中山間実態調査を今やられていますし、国勢調査でも戦後最小の人口になりましたが、知事の人口減少であったり中山間に対する危機感がどのようなものかというのを教えてください。

(知事)
 これは今、庁内で具体的な施策の取組などについて議論しているところですけれども、もともと、実態調査を始める前からの問題意識として持っておりましたのは、10年前の実態調査を踏まえて、具体的な施策の核とし て、集落活動センターの取組を鋭意進め、かなり成果が出てきているという点は意識してきた訳です。
 ただ、逆に市町村によりましては市町村内のエリア、特に町村のエリアですね、いずれかの集落活動センターがカバーするという体制が取られているところもありますけれども、多くの町村ではそこまでいっていないと。 やはり集落活動センターが設置されたり、あるいは町村の中でも割合中心的な、比較的規模の大きな集落は、何とか活力は維持できたり、あるいは活気が戻ってきたりということがありましても、それ以外の小さな集落にお いて、疲弊が進んでいるのではないかという問題意識を持っておりました。
 そうした小さな集落の対策をどう進めていくかというところを、もともと念頭において、特に人口規模の少ない小規模集落についての実態調査を進めてきたことですから、その点につきまして、今後、小さな集落の活力の 維持、向上対策をメインの課題に掲げて、今後の対策を考えていきたいと思っていますし、その点、個々の取組においては必ずしも小さな集落に限りませんけれども、課題となっている中で、ぜひ具体的に前に進めたいと思 っている大きな2点が、1点が移住者の方々の住まいの確保対策ですし、もう1つは、デジタル化とも絡みますが、デジタル技術、ドローンなども使って、特に小さな集落の活動をサポートしていくことが新しい取組みとし てできないかと。こういった点などを今、鋭意検討している段階です。

南海トラフ地震対策について①
(古谷 読売新聞社記者)
 南海トラフ対策でお伺いします。
 先ほど、命を守り命をつなぐという言葉がありました。その中で、生活再建に向けた取組という話があったと思うのですけれども、全国知事会の場で作られた被災者生活再建支援法というのがあって、まだ拡充されても十 分ではないと。都道府県では独自の支援を上乗せしているところもある中で、知事の頭の中にある生活再建に向けての取組、どんなことがあるのか、具体的に挙げていただけますか。

(知事)
 これは昨年からも取組を始めているところですけれども、一番具体的に体系的なものとして意識していますのは、いわゆる事前復興の取組についてです。これは検討会も設けまして、首長も入っていただいて事前復興の、 要は典型的なパターンがどういったものがあるかということも勉強いただきながら、事前にある程度の想定をして、いざ事が起きた時の復興の着手をスムーズにできるようにという取組でありますけれども、ある意味、こう した取組を進めてきた。これは一つは、いわゆる命を守る、命をつなぐ対策の特にハード整備に関わる部分が、ある程度進捗してきていることの反映という面もあると思っていますけれども、こういった事前復興といったと こまで視野に入れた中で、具体的に地域によっては、集落の高台移転についての機運が高まってきていることもございますから、そういった流れも意識しながら、具体的に県としてどういうサポートができるかということを より深堀りしていくことが、本年ないし新年度に向けた課題ではないかと考えています。

南海トラフ地震対策について②
(古谷 読売新聞社記者)
 被災者生活再建支援法について、知事の現状での受け止めはいかがでしょうか。

(知事)
 この点は、全国知事会でも随分議論された部分でありまして、一定、今まで大規模半壊というところで線を引いていた部分が、ある程度、一部損壊の中でも比較的規模が大きいところまで対象拡大するところまでの前進 は、道筋が付いたと考えています。さらに理想的な姿を言えば、より規模の小さな一部損壊についても、支援の対象にできる制度への充実が検討課題だと思いますけれども、一方でその点につきましては、掛け金に当たりま す各都道府県からの負担金、あるいは国からの支援の拡充が、密接不可分の要素として必要になってくると。いわば、各県の負担も増えてくる部分もあって、これは各県でのコンセンサス形成に、なお課題がある部分だと思 いますけれども、そういった部分について、なかなか直ちにということは難しいかもしれませんが、次なる課題として意識してさらなる改善、あるいは充実を図っていくことが残された課題ではないかと思っています。

 南海トラフ地震対策について③
(古谷 読売新聞社記者)
 県によっては、災害が起きた後ですけれども、独自に上乗せをしたり、充実させたりしているとこもあるようですけれども、そういうふうなお考えはいかがですか。

(知事)
 それを今言えるのであれば、早く手を打っておかなきゃいけないということもあると思いますけれども、過去の流れを見ますと、現実に相当の規模の例えば地震などがあって、かなり踏み込んだ支援を県でされた事例もあ ることだと思いますので、現実にそういった状況に至った場合に、被害の規模だとか、その時点での県の財政事情、あるいは国からの支援の見通し、そういった部分に左右される部分はあろうかと思いますけれども、現実に そこで手を打っていかなければ地域の再建自身がおぼつかないような極限の状況に仮に至るとすれば、今まで行われたような、そういった重い判断も行われるべき局面はあり得るのではないかという問題意識は、私自身は持っているところです。

南海トラフ地震対策について④
(古谷 読売新聞社記者)
 受援計画の話があったと思うのですけれども、これは県でも各市町村で作って欲しいと言いながら、なかなかできない状況で、その受援計画の必要性、東日本の経験などを踏まえて、どういうふうに受け止められて、これからどう働きかけていくかという点をお願いします。

(知事)
 東日本大震災であったり、私自身経験した中で言いますと大阪の北部地震であったり、そういった経験上、特に市町村レベルである程度災害慣れしている自治体は、ある意味、経験もあるので立ち上がりも早いことがあり ますが、災害をあまり経験していない市町村ほど、いわば発災直後にパニック状態になってしまって、いろんな国、あるいは他県、他の市町村からの支援の交通整理自身がなかなかうまくできなくて機能不全に陥ってしまう 例を、私自身何度か見てきたことがありますから、そういったことに陷らないように事前の交通整理の仕方といいますか、そういった点についての計画をしっかりとしておくことが、この受援計画のポイントだと思います。
 そういう意味では、ここ2年間に市町村におきましても、いわば総合部門といいますか災害全体をマネジメントしていく災害対策については、ある程度、この計画づくりも進捗してきておりますし、そういったもののノウ ハウも、これは国もかなり熱心にやっていただいていることもあって、蓄積が進んできているのではないかと思いますが、個々の分野で見た時に、例えば医療であったり、給水、水の問題であったりについては、なお課題が 残っていると考えていますので、こういった課題が残っている点を中心に受援態勢の整備の問題については、引き続き、特に市町村に対しまして働きかけをしっかりしていきたいと考えております。

 経済活性化と新型コロナ対策のバランスについて①
(清野 朝日新聞社記者)
 知事の主要な施策の一番重視されているのは経済の活性化だと思うのですけれども、知事としては経済の活性化と新型コロナ対策、どちらを優先させようと思ってらっしゃるのか、もしくは、コロナの感染状況がどうなるかというのがあると思いますけど、どうバランスを取ろうと思っているのか、その辺をお伺いしたいのですけれど。

(知事)
 これは局面局面で、どちらにウエイトを置くかという判断は変わってくる問題だと思います。率直に言って感染状況が非常に拡大して深刻な状況になっている時は、その局面では、ある程度、経済社会活動も犠牲にして感 染を止めることに重点を置かざるを得ないし、逆に現在のように、全体として見れば感染状況が落ち着いている中では、社会経済の活動に軸足を置いていくことになっていくと思います。
 ただ、大きな流れとしては、ある意味、希望的な観測の部分も含めてですが、コロナ禍も丸2年続いてきておりますから、その都度、新しい変異株が生まれてくることもあって、なかなか手ごわい相手ではあります。しか し、出てきたデータを見ますと、第1波から第5波まで、いわゆる感染者の中で残念ながら死亡に至ってしまった致死率を見ると、この間、医療の面でもいろんな技術進歩、スキルの向上があったこともあって、これは着実 に下がってきていることでもあります。その意味で新しい変異株は、ある意味、一面は新しいウイルスを相手にするという厄介な部分もありますが、そうは言っても、新型コロナの大きな範疇の中であれば、我々、今までの 戦いの中でノウハウを蓄積してきた部分もあると思いますので、大きく言えば、ある程度の感染拡大の時期にあっても、それがある程度の範囲内に収まっているのであれば、社会経済活動は、できるだけ行っていく方向で対 応していくのが今求められているスタンスだと思います。そのための有力なツールが、ワクチン検査パッケージであったり、あるいは飲食店の第三者認証制度であったりということだと考えております。

 経済活性化と新型コロナ対策のバランスについて②
(清野 朝日新聞社記者)
 求められるスタンスと今おっしゃいましたが、それは高知県の状況から考えて、つまり人口が減っている、経済も沈滞するかもしれない状況から考えてということなのでしょうか。

(知事)
 両面がありまして、今の高知県の状況でというと、おっしゃるとおりでありますし、ただ、もちろん先の話にはいろいろ不確定なリスクが伴いますけれども、大きく新型コロナという範疇の中でということであれば、大分 2年間で我々も経験値を重ねてきたところがあります。その経験値の範囲内である程度、先が読めることを前提にすれば、感染拡大期でもできるだけ日常生活、社会経済活動は維持できるところはしていくところにポイント を置く。そういったところにきているのではないかという思いは持っているということです。

 プラスチックの代替素材について
(清野 朝日新聞社記者)
 先ほどグリーン化のところで土佐和紙を利用したプラスチックの代替素材を何か作りたいという話があったと思うのですけれども、それは具体的に何かあるんでしょうか。

(知事)
 念頭に置いておりますのは、いわゆるプラスチックの海洋ゴミですね、レジ袋などが、川から流れて海へ行ってウミガメが食べてしまって、ウミガメのお腹の中にプラスチックのレジ袋がたくさん入ってしまっていたと。 それをなくすため、例えばプラスチックの袋であったり、プラスチックで組成された容器というのは自然分解していかないので、結局環境に極めて優しくない。環境に悪いことがありますから、それをいわば自然分解してい くような紙の容器とかスプーンというものに代えていこうというのが、これは大きな世の中の流れになっているとと思います。
 そういう流れをうまく掴んで、高知県というのは土佐和紙の伝統があって製紙業がいろんなノウハウを持っていますから、ちょっとニッチな分野になりますけれど、例えば電子部品のセパレーターみたいなものは、全世界 の6割、7割のシェアを持つような会社もあるということですので、そういった紙の産業をずっと紡いできた高知県の技術力をプラスチックの代替になるような紙をベースにした容器を作っていくところに生かせないかと、 県の工業技術センターで、そういった試作品の紙容器などの耐用性がどうかとかいうことを試験できる機械も入れたりして、開発の技術を支援しておりますから、そういったところから実用化、製品化が進んでいって量産と いうところまでいければ、これは県の産業振興というところにつながっていくんではないかと、そんなことをイメージした話です。

 

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