平成26年8月26日  知事の定例記者会見

公開日 2014年12月17日

台風被害の復旧・復興対策
台風災害による大雨被害(1)
県中央地域の公共交通(1)
全国学力・学習状況調査
台風災害による大雨被害(2)
大雨による観光への影響
土砂災害警戒区域の指定
県中央地域の公共交通(2)
南海トラフ地震対策推進地域本部
まち・ひと・しごと創生本部
自主防災組織

配布資料
台風第12号及び第11号災害の復旧に向けた対応と今後のさらなる対策について[PDF:1MB]
飛躍への挑戦! 産業振興計画[PDF:2MB]

台風被害の復旧・復興対策

(知事)
 先ほどの災害対策本部で取りまとめた、『台風12号及び第11号災害の復旧に向けた対応と今後のさらなる対策』について説明させていただきます。3項目で成り立っており、1番目が被害に対する応急対策と復旧について、2番目が再度災害等の防止について、3番目が経済被害等の状況と対策についてです。

(資料「台風第12号及び第11号災害の復旧に向けた対応と今後のさらなる対策について」により説明)

(資料の2ぺージを示しながら)こちらが、今回の災害を総括したものです。
 8月1日から10日までの期間に、厳しいところではトータルで2000ミリ超、8月平年値の4倍超の豪雨となり、特に台風第12号では県中央部が、第11号では県東部、西部・高幡地域等が記録的豪雨になりました。
 被害状況については、人的被害が重傷1名、軽傷6名、住家被害は2000棟を超える被害が出ています。避難勧告等については最大で49万人に避難勧告、避難指示が一時出ていました。孤立集落は全部で40箇所、2,878人が一時孤立しましたが、現在は全て解消しています。

(資料の3ぺージを示しながら)こちらには現在の被害の状況及び応急対策、今後の復旧に向けた見通しをまとめています。
 道路について、県管理道路の被災箇所は92箇所です。そのうち応急復旧対応済みのものが67箇所、復旧作業中のものが25箇所になります。規模の大きな被災箇所は伊才原や奈比賀など4地区で、こちらは仮設架橋によって対応を図るほか、一部は工法を検討中です。
 応急復旧作業の完了見込みは9月末に7箇所、10月末に5箇所、11月末に2箇所となっており、一定期間内には完了させたいと考えています。また、本復旧で対応しようとしている規模の大きな被災箇所も7箇所あります。
 規模の大きな被災箇所については本復旧に2年ほどかかる見通しです。その他の箇所については、平成27年度中に本復旧を終えるよう対応を進めていきたいと考えています。

会見する尾﨑知事 地すべりについて、広大な地域で地すべりが継続している状況であり、現在、伸縮計による観測やボーリング調査を実施しています。今後、ボーリング調査の結果を踏まえて対策工法を決定し、対応を図っていきたいと考えています。

 (資料の4ぺージを示しながら)河川について、42河川の流域で浸水被害がありました。これらの地域では、土嚢を設置して浸水、決壊防止対策等を実施しましたが、一部で浸水被害が出たことは皆さんご存じのとおりです。
 また、河川護岸や堤防の被災箇所は全部で325箇所に上っており、2カ年程度で復旧を完了させたいと考えています。

 海岸について、高知海岸と穴内漁港海岸に特に大きな被害がありました。現在、応急復旧工事を実施中であり、今後の台風に備えて9月上旬までに対応を終えたいと考えているほか、今回被害を受けた全ての海岸で来年の台風時期までの本復旧を目指します。

 治山について、林地崩壊60箇所、施設災害5箇所。漁港については、4箇所で被災しています。

 水道について、大豊町、四万十町、そして四万十市の1市2町で断水が発生しました。多くの皆さんがご苦労されたと思いますが、8月17日までに仮設の工事によって断水状況は解除されています。今後、早期に災害査定を受け、本復旧に着手したいと考えています。

 教育施設について、延べ79校で床上浸水等の被害が発生しましたが、2学期の授業開始には支障がない状況です。

(資料の5ぺージを示しながら)再度災害等の防止についてです。
 『浸水被害の再度災害防止』に関して、いの町、日高村、高知市万々周辺、四万十町窪川で大規模な浸水がありました。
 宇治川、日下川などについては、従来から様々な浸水対策を講じてきたものの、想定以上の雨が降り、浸水が発生してしまったことから、県やいの町、日高村の地元自治体、国も含めた協議の場を設け、治水能力の増強などについて本格的な対応を検討したいと考えています。
 紅水川については、高知市との協議によって陸閘の新設などを検討したいと考えています。
 吉見川については、四万十町との協議に国も巻き込み、排水ポンプの新設等について検討したいと考えています。
 その他の河川についても、浸水被害の原因を分析し対策を検討するとともに、河川改修事業中の工事を急ぐといった対応を図ります。

 『土砂災害から人命を守る取り組み』に関して、現在、高知県内にある危険箇所1万8112箇所のうち、土砂災害警戒区域に指定されているのは6,645箇所、指定率36.7パーセントという状況です。
 平成25年度以降、土砂災害警戒区域の指定を年間500箇所から1,000箇所に倍増して取り組んできましたが、今回の災害を受け、平成28年度から年間2,000箇所を目指してさらにスピードアップを図っていきたいと考えています。
 あわせて、土砂災害警戒区域に指定される前の土砂災害危険箇所についても、県民の多くの皆様に周知を行い、あらかじめ警戒心を持ってもらうことも極めて重要と考えています。そのため、土砂災害に関する学習会を通じて土砂災害危険箇所のマップを周知することや、県ウェブサイト内「こうち防災情報」の中から土砂災害危険箇所が一定分かるようになっていることについて、再度徹底を図っていきます。

 また、住民の避難行動に結びつく訓練の充実を図るほか、県が所管する38箇所の大規模盛土による造成宅地について、改めて現地調査を行い、必要に応じた対策を図るとともに、県所管分でないところについても今後の対応を検討中ですが、さらなる対応を図りたいと考えているところです。

 (資料の6ページを示しながら)今回の災害で様々な経済被害が出ています。この経済被害に対して既存制度や当初予算の範囲内で実施可能な対策は直ちに実施し、新しい制度の創設や当初予算の増額が必要な対策については9月補正予算案に計上して速やかに対応を図るほか、国の補助制度がない場合でも必要な対策を県単独で実施したいと考えています。

 農業被害について、被害総額は8月25日現在で約24.2億円です。
 ビニールハウス自体が潰れてしまった場合は県のレンタルハウス整備事業費補助金を利用し、ハウスのビニールが破損した場合は国の補助制度を適用して対応を図りたいと考えています。
 また、多くの農家の皆さんが利用する日高村のトマトの選果ラインが浸水によって機能しなくなっていることから、集荷時期までに再開できるよう国の補助金に県単独の補助金も上積みして支援したいと考えています。

 (資料の7ページを示しながら)林業分野について、作業道や製材施設等について対応を図ります。水産業分野についても一定の支援を行っていきます。
 さらに観光分野について、書き入れ時に旅館・ホテル等のキャンセルが相次いだことから、対外的な情報発信やPRのてこ入れを図り、年度後半に向けて底上げを図っていきます。

 (資料の8ページを示しながら)被災者の皆様への支援についてです。
 災害救助法の適用による対応に加え、避難指示等が長期に及ぶ場合の住宅確保支援について高知市などと協働し、県営住宅の提供や民間賃貸住宅の借り上げ費用の一部補助を行うなどの対応を図っていきたいと考えています。
 併せて、住宅の全半壊等の被害に対する対応も図っていきます。

 以上の対策について、既定予算で対応できるものについては、既に対応を図っているところです。一方で、既定予算で足りないものについては9月補正予算に計上して対応を図りたいと考えています。

 以上が台風第12号及び台風第11号災害の復旧に向けた対応と今後のさらなる対策についてです。併せて、産業振興計画の進捗状況について資料をお配りしていますのでご覧ください。

台風災害による大雨被害(1)

(遠藤・高知さんさんテレビ記者)
 今回の大雨被害から得られた教訓と今後の対策への決意をお聞かせください。

(知事)
 久方振りの大規模な大雨災害になりました。被災をされました県内の皆様方に対して心からお見舞いを申し上げます。併せて、広島県をはじめ、全国の地域で亡くなられた皆様方のご冥福をお祈りいたしますとともに、全国の被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。

 今回の災害にはいろいろな教訓があります。
 まず、急激に降雨量が増える、いわゆるゲリラ豪雨の怖さを改めて感じました。
 本県の災害の場合、ゲリラ豪雨によって2つの厳しい局面が発生しました。
 一つは都市部を流れる中小河川の急激な増水です。鏡川が増水規模としては最も大きかったですが、他にも紅水川の増水によって万々周辺が浸水し、皆さん大変ご苦労されたということです。
 先日上京した際に防災大臣にもお話をしましたが、ゲリラ豪雨による災害が増えていく中で、水を呑み込む容量が少なく、越水した周辺にたくさんの人がいる都市部の中小河川への注意をもう一段高めていく必要があると感じました。
 もう一つは、大豊町や高知市鏡等で大規模な崩土が発生しており、土砂災害に対する警戒を緩めてはいけないと、改めて身を引き締めました。

 今回の災害では、すぐ気象庁から詳細な気象情報をもらい、マスコミの皆さんにも報道していただき、早めに注意喚起をすることを心がけてきました。
 今後も、天候の急激かつ厳しい転移は起こり得ます。日頃から警戒感を持ち、災害が迫ってきた時は早めに情報を取得していただきたいと思います。我々もしっかり情報を流し、早めの対応を図ることが大事だと身を引き締めているところです

 そして、河川の整備を進めなければいけないと感じています。冒頭で再度災害防止に向けて協議会を作ると申し上げましたが、何度も災害を起こしている河川について、しっかり話し合って次につなげたいと思います。

県中央地域の公共交通(1)

(遠藤・高知さんさんテレビ記者)
 公共交通の再編問題について、新会社の名称が「とさでん交通」と決まり、10月1日のスタートまで残り1カ月余りとなりましたが、今後の経営陣の人事などを含めたスケジュールについてお考えを伺います。

(知事)
 現在、「新会社設立委員会」で10月1日の設立に向けた準備が進められていると承知をしています。役員人事も検討されていると思いますが、県も最大の出資者として役員を出させていただき、経営上の応分の役割を果たしていきたいと考えています。

 新会社はあと1カ月少しでスタートします。「新会社設立委員会」の皆様には、県民の皆様にとって使い勝手がよく、それゆえに多くの方に利用される持続可能な公共交通となるように検討を重ねていただきたいと思います。
 併せて、新しい経営体質や方針を打ち出すことも大事だと思います。まずは新会社の設立に全力を注ぎ、設立後は不断の経営の見直しによって使い勝手がよく、多くの人に使われる公共交通となってもらうように努力を重ねてもらいたいと思いますし、県もしっかり役目を果たしていきます。

全国学力・学習状況調査

(遠藤・高知さんさんテレビ記者)
 先日公表された全国学力・学習状況調査の結果について、中学生は全国平均との差が縮まっているものの、依然として差がある結果になりました。今回の結果や今後の学力向上に向けてどのように考えているかお伺いします。
 また、今回の結果から学校別の公表が解禁されましたが、全国的に進んでいない状況の中、市町村単位あるいは学校単位のどの範囲まで公表すればよいか知事の考えを伺います。

(知事)
 結果について、小学校は全国上位クラスを維持、中学校も調査が始まった平成19年度当時より改善しており、よい方向にあると思います。ただ、平成19年度以降の高い伸びと比べて、この2年ぐらい足踏み状態になっていると感じています。
 基礎的な段階の知識と学力については、これまでの改善策によって効果が出てきていることから、今後は思考力問題の改善など、もう一段上のレベルを目指せるかどうかが試される、踊り場の状態に来ていると受け止めています。県教委の皆さんや教育長もそのように捉えていると思いますので、今後しっかりと対応を考えていけばいいと思います。

 去年9月の補正予算で、数学の思考力問題の教材を研究・準備するための経費を予算計上させていただき、今年の4月頃から新しい教材に基づいた授業を始めています。全国学力・学習状況調査は4月に行われるため、この新しい対応の結果はまだ反映されていないものの、踊り場状態への対策は、現行でも取られています。
 あわせて、関係者の皆さんが今回の結果を分析・検討することも、子どもたちの学力を向上させるためには大事ですし、知事部局として大いに後押ししたいと思います。
 第二の正念場がやってきたと率直に受け止めて、次に備えていくことが大事だと思います。

 公表の問題については今までのスタンスと変わりなく、県が市町村や学校に対して公開を強要したり、勝手に公表したりするつもりはありませんし、県教委も同様と伺っています。
 市町村別の公表については、あくまで市町村教育委員会や学校が自主的に判断されることであり、また、公表にあたっては序列化にならないよう注意することが大事だと思います。
 ただ、一方で市町村で独自の判断で、積極的に住民の皆さんへの説明責任を果たすことも大事ではないかと考えています。

台風災害による大雨被害(2)

(福井・テレビ高知記者)
 知事はこれまでに避難指示が続いている地区の避難所を直接ご訪問なさっていると聞いています。その際、具体的に住民の皆さんからどういった要望が挙がっていたか教えてください。また、その要望をお聞きしたときの気持ちをお伺いします。

(知事)
 まず、(高知市鏡の)的渕にお伺いした時は住民の皆さんから「ペットも連れて避難しているので、知人宅にいつまでも泊まるわけにはなかなかいかない。何らか仮に住める場所を準備できないものだろうか」というお話をいただきました。その後、高知市の皆さんとも協議させていただいて、仮の住宅の提供について、県と市で協力させていただくことをお話させていただきました。
 (高知市鏡の)的渕の避難所に行った時は、高齢の女性の方やそのご家族の方が「本当に怖かった」というお話をされていたことが、大変お気の毒でした。それから避難がどうしても長期化していくことについて、悲しみと苛立ちを覚えておられることをお伺いしました。とは言いながら安全第一ですので、一定の対応をせざるを得ませんが、できる限りのことをしなければならないと思います。
 それから(大豊町の)大平の避難所をお伺いしました。住民の皆さんは仲良く寄り添っておられましたけれども、その中で女性の方がおっしゃっていたのは、「生まれ育ってきた家がそのまま流されてしまうんじゃないかと思うと、本当に心配で悲しくてたまらない」と涙ぐんでおられました。本当にそうだろうと思いました。今、できるところから少しずつセンサーを付けて監視を行い、一つずつステップを踏んで確認作業を重ねているところです。早く平穏な生活に戻れるように様々な対策を講じていかなければと思います。本当にお気の毒ですが、安全第一ですのでご自宅から避難していただくことを徹底しないといけません。
 他方で、そういう中においてのご不便を少しでも補えるように、市町村とも連携しながら住宅の提供などの対応を図っていきたいと思います。

(福井・テレビ高知記者)
 他の地区に今後行かれるご予定はありますか。

(知事)
 政府調査団が来た時に高知市や大豊町へ行き、調査団が帰った後、大豊町大平などを町長さんと回らせていただきました。その後、日高村といの町をずっと回ってきました。それから、翌日には四万十町へお伺いして、窪川の町をずっと町長さんと一緒に見させていただいて、その後、土佐市の方にお伺いして用水路の氾濫区域を見させていただきました。それからビニールハウスの方をお伺いしましたが、次にラジオの放送に出演しなければならず、時間がなくなってしまったので、外から見させていただいただけで帰りました。
 東部地域をまだお伺いできていませんので、今度は8月31日にお伺いさせていただく予定です。大規模崩土が起こっていますので、もう1度、被災地の皆さんのところをお見舞いにお伺いさせていただきます。そして、被災状況を自分自身の目で確認するため、お伺いさせていただこうと思っています。

大雨による観光への影響

(古宇田・日経新聞記者)
 県では今年、観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を行っていますが、今回の災害による影響が出ていると思います。去年は407万人の県外観光客数を達成しましたが、今年の見込み客数への影響はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 今年7月までの段階で前年よりも僅かながら上回っており、順調に推移していた状況からも、もう一度400万人観光を達成できそうでした。8月の書き入れ時にこういう災害が起こってたくさんのキャンセルも相次いだこともあり、多めに見積もって対前年比は8月だけで7万人程度観光客が減少したようです。今年1月から8月までの観光客数の伸び率を、9月以降の前年度 実績に掛け合わせると、大体400万人ぐらいになりそうです。
 去年が407万人でしたので、先ほど言った7万人分が減少する感じです。
 幸い良いニュースもあって、じゃらんの宿泊旅行調査で再び「食べ物のおいしいところ全国第1位」に去年の12位から復活しました。そういったこともしっかり打ち出していきながら、もう一段、一連のPR対応の出力を上げて観光誘客に努めていきたいと思います。今年は、多くの観光地にとって非常に重要な年だと思います。昨年、はた博を開催した幡多地域に一定のお客さんが来ることにより、磨き上げた商品がより洗練されていくことになると思います。また、東部地域では来年から東部博をスタートするということで、この秋からプレイベントを開催します。
 一定の観光客に来ていただくことで、それぞれの観光地の実力が高まっていくことにつながるので、この8月の災害にめげずに目標である400万人観光の旗を下ろさずに頑張りたいと思います。

(古宇田・日経新聞記者)
 これまでにこういった災害によって、観光に関する対策の予算を計上したことはありますか。

(知事)
 私になってからはないです。年度途中で他の動向を見ながらてこ入れをすることはよくあります。こっちをPRしたけど少し効きが悪かったので、ちょっと出力を上げようといったように、年度途中でブレーキとアクセルの踏み替えを行っています。ただ、今回のように災害を理由として対策を行うことはなかったと思います。

土砂災害警戒区域の指定

(井上・高知新聞記者)
 土砂災害警戒区域の指定についてお伺いしたいんですが、広島市の土砂災害のこともあって、今、全国で(土砂災害警戒区域の)指定率が注目されています。全国では大体7割弱の指定率だと思うんですが、高知県はまだ4割にも届いていないという現状で、今後は国の方も指定を促進していくような法律改正などの話も出ています。
 これまで(土砂災害警戒区域の)指定を高知県として進めてきた中で、数字的になかなか反映していないその課題と、今後、国にどんな部分を後押ししてもらいたいと期待していますか。

会見する尾﨑知事(知事)
 (土砂災害警戒区域の)指定がなかなか進まない理由は何かというと、高知の場合は急峻な地形が多く、調査が難しいということが一番大きいと思います。今回、土砂災害が起きた地域へ実際に測りに行くのも、1回1回職員が山の奥まで入って見ていくのは本当に大変だと実感しています。やはり急峻な四国山地の中で土砂災害の危険区域を1箇所ごとに把握していくことの厳しさはあると思います。
 ただ、そうは言っても急がなければいけないため、(土砂災害警戒区域の指定を)平成25年度からそれまでの年間500箇所を1000箇所にスピードアップして対応を進めています。さらに平成28年度以降には、(土砂災害警戒区域の指定を)2000箇所となるように調査実施箇所を平成27年度から増やしていこうとしていた最中に起こった、今回の一連の災害でした。
 今後は、年間2000箇所のペースで(土砂災害警戒区域の指定を)行っていけば数年で指定は終わることになりますので、このペースを維持できるように頑張っていきたいと考えています。
 ただ、土砂災害警戒区域に指定されていなかったことが問題かというと、むしろ土砂災害警戒区域に指定されていなくても、土砂災害危険箇所であることを分かっておく必要があります。詳細には分かっていない場合でも、一定危険があると思うべきであって、そのことを県や市町村が把握しておくことが大事なことであり、住民の皆様にもお伝えするべきであると思います。
 ですから、今回の教訓を受けて、過去も大きな大規模崩壊が起きた時に対応してきたようですが、改めてもう一度土砂災害危険箇所について、住民の皆様に「ここが危険箇所です」ということを周知していくよう、対応を図っていきたいと思っています。

(井上・高知新聞記者)
 国における(土砂災害警戒区域の)指定の促進に対して期待することはありますか。

(知事)
 できるだけ(土砂災害警戒区域を)指定しやすいようにしていただければと思います。ただ、土砂災害警戒区域に指定することも大事ですが、私はむしろ今やるべきことは、土砂災害の危険箇所について、住民の皆様にそれぞれ周知することを改めて徹底することではないかと思います。
 やはり一定危機感をあらかじめ持っておくことは大事だと思います。「この地域は津波が危ないかもしれない」「この地域は裏山が危ないかもしれない」「雨がざんざん降りだしたので、みんなで2階にいよう」と備えておくことが大事だと思います。
 国の方でも広島県の例などを含め、制度の改正についてこれから議論されるでしょう。その点を私たちもよく注視し、本県の経験を踏まえて国へ政策提言もさせていただきたいと思います。ただ、そうした法律の改正を待たずに、土砂災害警戒区域指定前の土砂災害危険箇所についても、さらなる周知を徹底したいと思います。

県中央地域の公共交通(2)

(大山・高知新聞記者)
 公共交通における、高知市中心部のターミナルについて、知事は以前から重要性を指摘されていたと思います。今日午前中の県市連携会議の中で、早期に協議の結論を得て、県市で連携していきたいといったことをおっしゃられたと思いますが、(ターミナル設置について)具体的な連携の内容や、スケジュール的なものがあれば教えてください。

(知事)
 まだ具体的なイメージを持っているわけではありませんが、ターミナルは確かに必要だと思っています。いろんな土地の活用が考えられると思いますので、ターミナルをうまく設置していけるよう高知市と具体的な話をこれから急いで進めていきたいと思います。

(大山・高知新聞記者)
 協議の場などを改めて作ったりしますか。

(知事)
 協議の場を持たなくても、高知市とは常に意思疎通を図っていますので、その場を通じて意見交換をさせていただければと思います。

南海トラフ対策推進地域本部

(半田・高知新聞記者)
 今年4月から南海トラフ地震対策推進地域本部が動き始めていますが、今の現状と課題を把握していますか。

(知事)
 (南海トラフ地震対策推進)地域本部について言えば、課題がものすごく大きいので具体的にどういうことをやっていくべきなのかを、それぞれの地域において仕事の優先順位を一生懸命に検討を重ねている状況だと思います。地域によって何を急がなければならないかは、それぞれの実情が違いますので、正直なところ今年はそれでいいと思っています。
 その中において、例えば、津波避難タワーづくりを優先した方がいいという地域もあれば、山の(土砂災害)対策についてこれから大いに考えなくてはならない地域もあると思います。県全体として、定型でやっていかなければならないことについては、例えば、図上点検や現地での点検を(南海トラフ地震対策推進)地域本部でルーティンとしてしっかり担ってもらいながら、確実にこなしていきます。その上で地域地域の特性をどう把握し、どう対応していくかをまとめていくのが彼らの今年度の任務だと思います。
 それぞれの(南海トラフ地震対策推進)地域本部において、特異な課題はこれであるということを明確にして、来年度からさらに体制も増強して対応できるようにしていきたいと思っています。そして、市町村役場の皆さんとの連携や協調関係をじっくり作り上げることと、地域にある県の出先事務所を統括していくことを自主的にできるようにすることが今年の大きな課題です。
 今回、(台風による大雨の)被災にあたって、それぞれの(南海トラフ地震対策推進)地域本部の職員は、特に大きな対応が必要であった市町村役場へ実際に行き災害対応にあたるなど、市町村との良い連携関係を構築するための第一歩になったと言えるのではないかと思います。これから(市町村との)関係を強化していくためには、やるべきことはまだまだ多いと思います。

(半田・高知新聞記者)
 市町村長さんと知事が協議をする場では、早々に来年度以降、(南海トラフ地震対策推進地域本部を)増強するという話もされています。(今、南海トラフ地震対策推進地域本部へ配置している)3、4人の職員なら3、4人の機能がありますし、増強すれば増強したぐらいの機能を発揮するんでしょうが、今後もこの増強という方針は続くのですか。

(知事)
 まだ分かりません。(南海トラフ地震対策推進地域本部の)増強の仕方にもいろんなやり方が考えられると思います。単純に職員を増やすということではなくて、それぞれ兼務発令で任命していくことがあるかもしれませんし、民間の専門家に一緒にグループへ入ってもらうやり方もあるかもしれません。この県庁の建物から地域へだんだんと防災の対応能力を展開し、強化していく大きな方向は間違いないと思います。

まち・ひと・しごと創生本部

(井上・高知新聞記者)
 安倍政権が地域の経済活性化や人口減少の克服を目指して、9月の内閣改造後に「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げる方針を示していますが、これに対して期待することやどんな本部であればいいと思いますか。

(知事)
 「まち・ひと・しごと創生本部」の創設には大変期待しています。明日、少子化対策の国への要請活動で安倍総理にもお伺いしますし、またいくつか政策提言をする機会もありますが、やはり地方の振興に力を入れていただくのは、本当にありがたい話です。
 そして、今までと少し違い、地方の創生問題いわゆる地方の活力再生という問題と人口減少の問題、少子化の問題を表裏一体として捉えて対応しようとしている点は、非常に画期的であり本質的だと思いますので、その点は期待しています。
 他方で、少子化対策をはじめとして、非常にある意味、そういう問題だからこそ難しい問題ですので、しっかり地域の実情も踏まえていただき、かつ本格的な対策を講じていただくようにお願いしたいと考えています。
 あともう一つは、都会目線で地方を論じないでもらいたいことをつくづく思っています。これまで地方の拠点都市構想などいろいろ出てきていますが、高知県の中においても若者の流出を防止するダムとして、せめて高知市があればいいと言った発想は大間違いだと思います。私は全国知事会の場でも「中山間地域に若者がいない」と申し上げてきました。
 例えば、日本全体で見ても、農業の4割が消滅することにつながってしまいます。高知県を見ても高知市周辺部以外の場所で、農業の約7割が営まれているわけですので、その農業の担い手がずっと確保され続けなければなりません。決して県庁所在地のみで若者が残ればいいという発想を持っていてもらっては困ると思います。中山間地域で若者を残せるような地域創生であってもらいたいし、(「まち・ひと・しごと創生本部」の)体制であってもらいたいと思っており、全国知事会でもその話をしてきました。
 それから、この前も(日本創生会議・人口減少問題検討分科会座長の)増田先生にお伺いして、提言もしてきました。一時とは雰囲気が違い、大分そういう地域地域での生活が大事だという雰囲気になりつつあると思っていますので、その点は大いに期待しています。
 そして最後に申し上げたいのは、企業経営と地域再生の話は根本的に違うということです。企業経営の場合、例えば、得意な分野に選択投資をすればいいという議論によくなると思います。けれども、高知県には得意な分野としてカツオがあるから、高知県はカツオだけでいけばいいと決めて成り立つわけはありません。
 企業経営のアナロジーだけで地域の再生が決して成り立つものではなく、やはり多様な人の多様なニーズにしっかり応えられるよう、全体としての大きな仕組みを作り上げて、故にいろんな人の個性が生かされる方向に持っていくことが大事であると思います。
 ですから、そういう地域の再生を大きく捉まえて、何か特徴的なトピックスだけを取り上げたような議論ではなく、全体としての多様なニーズに応えられる大きな仕組みを論じてもらいたいと思います。
 特に申し上げたいのはこの三点です。今後、いろんな場所でこの点について発信させていただきたいと思っています。ただ、本当に人口減少の問題、少子化の問題、そして地域再生の問題を三位一体として捉まえた今回の本部創設は、本当に本質的であり素晴らしいことだと思いますので、大いに国へ政策提言を行い、合わせて発信することで貢献したいと思います。

自主防災組織

(古宇田・日経新聞記者)
 自主防災組織について、津波が来るような沿岸地域でもまだ100パーセントでない自治体があるようですが、それについてどうお考えですか。

(知事)
 やはり自主防災組織の結成を急いでいただきたいですし、練度〔訓練を積み重ねて得られる熟度の程度〕の向上をお願いしたいと思っています。ただ、東日本大震災が起こった直後に(高知県内の)沿岸部にお伺いした時、「逃げろと言われても逃げる場所がないじゃないか」とよく怒られました。ある意味、仕方のないところもあったのかもしれません。
 ですが、それから3年以上経過していく中で、避難路や避難場所、津波避難タワーが一つ一つ作られてきて、いわば逃げようと思えば逃げられる場所が増えてきていると思います。逆に言えばそうなってきましたので、それに併せて「ぜひ逃げる訓練を積み重ねてください」ということを市町村の皆さんとともに訴えていきたいと思います。
 そして、応急期の対策を考えるようになればなるほど、やはり地域の皆様同士で助け合っていただくことが大事になってくると思います。ですので、応急期の対策を講じていく中において、自主防災組織の皆様にこういうことをお願いしよう、ああいうことをお願いしようという話にだんだんなってくると思います。
 もうすぐ東日本大震災の教訓を踏まえた、避難所の運営マニュアルが完成しますので、そのマニュアルが出来上がれば自主防災組織の皆様にお示しする予定です。そこから自主防災組織で何をすべきかが見えてくるのかもしれません。こうしたマニュアルも使っていただきながら、我々も(南海トラフ地震対策推進)地域本部を活用し、自主防災組織の組織率の拡大と練度の向上につなげていければと思います。

(司会)
 以上で記者会見を終わります。

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